2015年に法政大学にうつってきて,社会学部の学部生,特に1-2年生という大学初学年に教えるようになった.これまでは主に地球科学を専攻する大学院生を相手に研究・教育を行ってきたが,そんな理系研究最前線環境からみれば,分野も対象も180度転換したといってもよい.
そこでまずつまづいたのは,講義や演習の前提となる基礎を共有できていない(あるいは教える側が的確に把握できていない)ということであった.さらに,地球科学の基礎となるべき,実際の自然に触れる機会が,現カリキュラムではほとんど保証されていないという,制度上の壁にもつきあたることとなった.
転任してきて2年が経過し,地学や自然地理学の現象や概念を,実体験を伴わせつつ,初学者にも効果的に習得させられる方法はないものか,と思案してきたところ,Augmented Reality Sandboxの作成を思いつくに至った.