やまつみ

::地学教育に活用されるAR/VRたち(その7)::

AR Sandboxレビュー

夏休み終了間近になって.ようやく完成した「頂(ピーク)シリーズ剱岳」.このアングルが我が心の剱岳に一番近い.毎日眺められるのがうれしい

最新技術を応用したARでもVRでもないのだけれど,紙で作る山岳立体模型キット「やまつみ」というのも,ぜひここで紹介しておきたい.

やまつみは,等高線図を標高10〜20mごとに輪切りにしたものが,それぞれの標高ごとにシール付きのシートに印刷されており,それを下から順番に積み上げて作成していく,というものである.これまでに富士山をはじめとして,日本の著名な山の多くが販売されている.

地道にシートを積み重ねていいくと,ただ紙を積み上げただけだとは思えないほど精巧な山岳立体モデルが出現する.この精巧さを作り出すには,山の表面を精密に再現する印刷が必要だろうし,繊細な等高線の屈曲具合に合わせて(しかもはさみやカッターも使わずに)すんなりと切りはがすことができるようにシールシートが加工されている必要もあるはずだ.一見素朴にみえる「やまつみ」の裏方には,実は,高度な印刷技術やシートカット技術が人知れず採用されているに違いない.

2016年の夏休みに,等高線間隔が5mという“頂(ピーク)”シリーズの「剱岳」に挑戦してみた.標高差895mを積み上げるという,難易度4つ星クラスの精巧モデルで,“頂(ピーク)”シリーズには,まだこの剱岳しか発売されていない.

現在,科研費研究で取り組んでいるのはこのアングル.

実際に自分で積み上げてみると,形そのものにじっくり向き合うことになるので,細かな尾根すじや支沢,はたまたマイナーピークにいたるまで,観察の眼が実によく届くようになる.まさに言葉通り「手に取る」ようにその立体形状を把握できるため,地質の違いでできる地形的な不連続や,氷河の侵食の痕跡なのではないかと思われる新発見もあったりして,地形屋冥利に尽きる作業となるのである.

山の形の成り立を観察する眼を養うには,うってつけの地学教材になることは間違いない.少人数クラスで室内実習として取り組ませたいのだけれど,教材としてたくさん購入できるほど安くないのが難点.

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Posted by T. Gaki